Saturday, 8 August 2015

ル・シャトー日記 ①




ノルマンディー、今年は今のところ毎日お天気が良くて、爽やかに暑い日々が続いています。何をするでもなくまったりと過ごしているのに、1日が経つのがあっという間。夏至は過ぎたけれど、まだまだ日は長く、この辺りでは1日の最高気温が夕方の6時〜7時頃なので、夜8時頃が、午後5時くらいに感じられ、時計を見ると、もうこんな時間っ‼︎…と慌てる事がしばしば。

ル・シャトー滞在の3日目の7日(金)、城主ペーターおぢが、ル・シャトーから一番 近い街、Flers にランチに連れて行ってくれました。


Flersに向かう道中の風景




Copyright: Kotomi creations


Flers に行く途中ですれ違った、巨大なクワガタ虫の様なトラクター。今年は乾燥した良いお天気が続いているので、麦の刈り入れが去年よりずっと早くサクサク進んでいて、私達が着いた時には刈り入れはほぼ終わっていてました。刈り入れ後には、麦わらが印象派絵画に見られる様なロールに丸められて、畑にコロコロ転がっているのですが、このトラクターは、先端についている凶暴そうな刃でロールを突き刺して持ち上げ、集めて回っている模様。




Flers の街はこんな感じ。観光する様なスポットはなーんにも無い、地味な地方都市。ラウンドアバウトの真ん中の万国旗が、実におめでたい感じです。ペーターおぢはここを、Flers のコンコルド広場と呼んでいる。



これがランチを食べたブラッセリー。なんかすごいなこの色彩感覚、って思うけど、味は全然悪くない。きちんと食材を仕入れて、きちんと料理している定食屋さん。シェフは、料理が大好きなんだなー、というのが伝わってくるメシ処でした。定食が、3コースで15ユーロ弱。今ユーロ激安で、ポンドにすると11ポンドくらい。美味しい定食がこの値段で食べられるのなんて笑いが止まらん。



前菜。 エビのマリネ、セルリアックを荒くすり下ろしてソースで和えたもの、アスパラ。それぞれのソースが違う味付けだった。エビをマリネしてあるソースは、ほんのり胡麻油の味がして、チョッピリ中華風で美味しかった。イギリスでアスパラって言うと、一般的にグリーンアスパラを指すけれど、フランスではデフォルトでホワイトアスパラが出てくる模様。




メイン。仔牛の煮込み。オレンジを剥いたのが乗っていて、意外に味が合っていた。




デザート。イル・フロタン(直訳:浮き島)。フワフワのメレンゲの上をちょっと焦がした島が、しゃばしゃばの薄いカスタード・クリームの海に浮いている。通常、島の部分は丸く型取るものだと思っていたけれど、ここでは四角いのが出てきた。メレンゲの甘さが丁度良くて、ぷわぷわな食感がたまらんかった。もう一皿ぐらい、軽くイケたと思う。

ここ、美味しかったのでまた行きたいな。もしまた行く機会があったら、 次は魚料理を試してみたい。

 

Thursday, 6 August 2015




火曜日、一日かかってノルマンディーはル・シャトー に辿り着き、あっという間に気分は竜宮城と化しています。特に何もしていないのに、時間が経つのが速いのなんの。

私はル・シャトーに着いて荷物を解いて落ち着くと、大抵先ず最初に敷地内の探検に行きます。今年は木苺が大豊作で、食べても食べても追いつかないくらい沢山実っていてシアワセ〜。




木苺、鈴なりです。


ル・シャトーの敷地内では、イギリスでは珍しい動物を見かけることがあります。赤リスとか野ウサギとか。…でも今日いっちばん感動したのは、なんと納屋にフクロウが居たーーー‼︎



ちょっと暗い所で撮ったのでボケボケですが…。フクロウ〜!二年くらい前に、大きい納屋の高い屋根の内側に巣をかけていたフクロウが、今年戻って来たという話は城主のペーターおぢから聞いていましたが、このフクロウが停まっているのは、その隣の天井の低い方の納屋。ここには毎年ツバメが巣をかけるので、それを見に行ったらツバメではなくてフクロウが居た!という訳です。興奮して近付き過ぎて起こしてしまい、フクロウ君は納屋を出て飛んで行ってしまいました。ゴメンよ、フクロウ〜。
 

Saturday, 1 August 2015

来週からノルマンディー




来週、8月4日から2週間、毎年恒例のノルマンディー旅行に出かけて来ます。で、毎年恒例、持って行く服に悩み中〜。ノルマンディー、8月だからと言って、特に暑いわけでも無い。どころかロンドンよりも体感温度が寒く感じたりもするので、基本、服装はスリーシーズン必要。8月のど真ん中に旅行に行くのに、ワードローブにダウンジャケットが入っているのって何やねん?と、この記事を書いててハタと不条理感に襲われる私でした。



2週間先までのお天気予報を見てみるとしかし、来週は結構暖かくなるらしい。だったら涼しい格好も入れて行った方が良いのか?暖かいと言ってもその程度が、行ってみない事にはさっぱり分からないのが悩みどころ。お天気に合わせて、足らないものを買い足せるようなお店も無いような田舎だしねぇ。…と言う事で、持って行く可能性のあるものをこの様に毎年図解で描き出しますが、全部持って行く訳ではなく、ここには描いていない物を持って行ったりもする。今年はホッカイロも持って行こうかな〜。…と、まるで夏のバカンスに行くとは思えない発言。




旅行の様子は、毎年お手製のトラベル・ジャーナル に書き留めて行きます。前のジャーナルが一杯になったので、今年からはこの新しいジャーナルで。今回はちょっと大きめの16cm x 11cm、厚さは3センチ強あります。これでかなり長い事もつかなー、と期待。



表紙裏には、ロンドンの地図を貼ってみました。ジャーナルの紙質は、水彩絵の具で描ける様に厚めの190gmのもの。水彩用の紙は、表面がザラザラと荒いテクスチャーのものと、スムーズなものがありますが、このジャーナルはペンでサラサラ書ける様に、ペン先が引っかからないスムーズな表面のものを選びました。以前、もっと厚い紙で表面が荒いジャーナルを作ってみた事もありますが、試行錯誤の結果、ジャーナルについては多分この紙質のものが、私にとってはベスト・チョイスかな〜、というところに、ようやく辿り着いたかも。

大ちゃんは二週間、お留守番です。毎年ウチに泊まって大ちゃんのお世話をしてくれる友人が、今年も来てくれる事になりました。大ちゃん、あっという間に私の事忘れるから、帰ってきた時また「このおばちゃん、誰にゃ?」って顔されるんだろうなー。…ま、それだけ順応性があるって事だからヨシとしとこう。


Wednesday, 29 July 2015

Joseph Cornell/Wanderlust@Royal Academy of Art



箱アートの大家、ジョセフ・コーネル展が7月4日から始まったので、観に行って来ました。

私、箱アート大好きなんですが、コーネルの作品ってイギリスではコレクションを持っている美術館が少ないのか、まとめて本物を目にする機会がこれまで一度も無かった。テート・ギャラリーが二点ほど持っているけど、隅に押しやられた様な、哀しくなっちゃうような地味な展示の仕方だし。イギリスでは彼の作品はあんまりウケなかったんだろうな、という印象。

"Wanderlust" と銘打たれたこのエグシビション、コーネルのヨーロッパ放浪への憧れ、みたいな心情を表現したものらしい(wanderlustとは、放浪への渇望、漂泊の思い、旅心といった意味)。私はコーネルの作品好きだけど、旅に憧れを抱いていたなんて事は知らなかった、どころか、アーティストとしての彼の人となりも殆んど知らない。

コーネルは、旅への憧れはあったみたいですが、69年の生涯、海外へ出た事は無く、アメリカ国内でも、自分の生まれたニューヨークを離れた事は殆んど無かったそうです。実際に何処かに行くよりも、自分の想像の中で旅する事を好んだらしい。ロマンティストですなぁ。

父親を早くに亡くし、自分が大黒柱となって、布地のセールスマンをしながら母と疾患を抱えた兄を支えていたコーネル、仕事のお昼休みに美術館や本屋に通い、本や様々な小物や紙モノを集め、それが後々の作品の土台を築く事になっていきます。

孤高の人って事になっているけど、他のアーティストとの交流はそれなりにあったらしい。ダンサーやロマンティック・バレエからインスピレーションを得ていたという時期もあったし、実はミーハーな部分も持っていたのかもよー、... なんて。いや、バレリーナに憧れる気持ちは、私もよ〜く分かるよ。




私が彼の作品から受ける印象は、旅への憧憬と言うよりは、言葉にならない、言葉になる前の、潜在意識の海に混沌と存在する何かを箱に詰めてあるみたいだなぁ。という感じ。





彼の作品を見ていると、何かこう、意味が有りそうで無さそうな、まとまったストーリーが有りそうで無さそうな、繋がりそうな糸が途中で切れてるような、漠然とした不思議な感覚に見舞われる。そういうのがとても魅力的だなと思う。色々と蒐集したオブジェを、一見ランダムに箱に詰めてあるみたいだけど、そこには何かのバランスがちゃんとある。だから美しく見えるのだろうと思う。私には真似出来ないなぁ。




今回のこのエグジビション、箱の作品ばかりではなく、彼が知人に撮らせた動画作品や、秀作っぽい箱に入った小物など、幅広い作品群を集めて展示してある。箱しか作って無いかと思っていたら、あの時代で既に動画も撮っていたんだー。意外な一面を顧みた感じです。コーネル、イギリスではアーティストとしてあんまり高く評価されていない印象を受けるけど、いち早く真新しい技術を使って何かしてみたいと思うのって、やっぱりアーティストだよねー、と思う。コーネルの作品が、これだけ一堂に揃うことはもう無いだろうから、もう一回くらい見に行っても良いな。


Wednesday, 15 July 2015

近い



大ちゃん、近い近い近い。


椅子に座っている私の足元で、小首を傾げて見上げる大ちゃんが可愛かったので、写真に撮ろうとiPhoneを構えたところ、大ちゃん、「それは何にゃーーー?」 とばかりに、にょ〜〜ん、と伸び上がるものだから、こんな写真になっちゃった。