Friday 25 December 2015

Merry Christmas!

 

 

クリスマスも、すでに半日以上終わってしまいましたが、みなさま、ステキなクリスマス・シーズンをお過ごしください。…それにしても今年のロンドン、ホワイト・クリスマスには程遠く、外はしのつく雨です。

 

 

Wednesday 16 December 2015

チズウィックの新しいカフェ

 

 

最近、近所にRhythm and Brews というカフェがオープンした。 うちからChiswick High Road に出る途中にあるんだけど、ちょっとだけ回り道になるのが億劫で、入ってみたのは今日が初めて。

 

ウィンドウにVinyl Cafeとあるように、店内には昔のLPレコードがディスプレイされている(昔の黒い円盤型レコードは、英語ビニールと呼ばれていた。発音はヴァイニルに近いけど)。レコード、店内でかける用かと思ったら、売ってるらしいです。

 

 

 

 

窓際に席を取って、ついでに軽くサンドイッチでランチ。その後はiPadを取り出して、翻訳の仕事に取り掛かる。 家でやるよりカフェでやる方が、断然仕事がはかどる私でした。

 

…で、このカフェ、ひょっとして音楽がうるさいんじゃないかと入る前に危惧していましたが、そんな事は無く、趣味の良いブルース系ミュージックが、邪魔にならない音量でかかっておりました。そして合間に、私にとって、もろナツメロなスタイル・カウンシルのヒット曲がかかったりして。ポール・ウェラーの声、なっつかしーーー。今やすっかりおっさんになってるらしいですが。

 

 

 

そして、店構えがオシャレで若向けな感じの割には、客層を見ると中・高年のおばちゃん層が多い。チズウィック自体、居住者の年齢層が若干高いせいだろうな。私も中・高年層のおばちゃんの一人なので、若者だらけの中で一人だけ浮く、ということもなく、実に居心地がいい。もしこのカフェがイースト・ロンドンのハックニーとかスピタルフィールズあたりにあったら、ヤング・プロフェッショナルの髭を生やした若者や、ファッション系女子達で賑わっているに違いない (すごい偏見)。

 

 

窓際からターナム・グリーンを臨む。

…というわけで感想: めっちゃ落ち着くわ、ここーーっ。音楽も、多分CDじゃなくてレコードをかけているんじゃないかと思う。なぜならずっと音楽が鳴っていたのに、耳が疲れなかったから。CDとかのデジタル音だと、音がキンキンしてるので、静かな音楽でもしばらく聞いているとしんどくなってくるのよねー。それが無かった。今までのショッピングのルートは、ターナム・グリーンを抜けてチェーン店のカフェ・ネロでお茶、その後ショッピング、というパターンだったけど、これからはカフェ・ネロじゃなくて、こっちでお茶する事にしよーっと。

 

Rhythm & Brews Cafe: 22 Walpole Gardens, London W4 4HG

 

Monday 14 December 2015

大ちゃんと紙風船



先日、日本からのお土産で、猫の紙風船をいただきました。せっかくなので、大ちゃんにも見せてみましょう。


「キミは誰にゃ?」


「すんすん。」



「仲良くするにゃ」(ナデナデ)



「あ。」





復活。「実はボク、胴体もあるのです。」




なでなでなで。



「あ。」



「しーん…。」


最近、iOS用の動画エディターの無料アプリを発見したので、ちょっとスライドショーを作ってみました。
YouTubeには直接飛ばないので、下のリンクをクリックしてください。うまく映るかな〜。





Saturday 12 December 2015

フォートナム・アンド・メイソンのクリスマス・ディスプレイ



毎年夏のホリデーでお世話になっている、ノルマンディのシャトーの城主ペーターとその友人達に贈る、恒例のクリスマス・プレゼントというかお歳暮というか、を買いに、今年もフォートナム・アンド・メイソンに出向きました。いつも目を引くディスプレイ、今年は特に楽しい〜。メルヒェ〜ンな雰囲気の動物が一杯!そしてビビッドな色が満載なのに、全然下品じゃないってところがさすが。



こういうの見てると、頭の中で「くるみ割り人形」の音楽が流れ出し、金平糖の精のいるお菓子の国に行ったような気分になってきます。ヤク要らずなの便利な脳だな、私。



手前のオウムは頭に酋長のような被り物をしているし、奥にいるのは何だか鳳凰っぽい。



この子は姿・形からするとミソサザイだけど、やっぱり被り物を被って酋長のフリをしている。



ライオン君は、レイヨウの角をつけて草食類に擬態中。…それ、バレバレだし〜。




フォートナム・アンド・メイソンなんだから、ティー・ポットだって欠かせない。奥のライオンはクリスマス・プディングをサーブ中。「普段は百獣の王やってますが、今日は日頃の感謝を込めて、皆様のために働いております。」



フクロウ君もいました。でもその羽根、寝ぐせ?それともオシャレなの?

こんな感じで、動物たちの仮面舞踏会みたいな雰囲気が不思議で楽しい。夢中で撮ってたら、ウィンドウの前で人待ちしてた人がどいてくれたわ。ありがとうー。



ちなみにこちら、戦利品


…と、大ちゃん。

Wednesday 9 December 2015

チズウィック・ガーデン/Chiswick House & Gardens


今日はお天気が良かったので、久々にチズウィック・ガーデンズにお散歩に出てみた。冬のさなかともなると、晴天でも公園内は人が少なくてのんびりできる。しばらく行かないうちに、池の周りの木が何本か切り倒されていた。思いきったことするなぁ。あの木の木陰に毎年巣を作るオオバンのつがいが居るんだけど、来年も同じ場所で巣作りするだろうか?






…とある古い切り株には、キノコが生えていた。Shaggy Ink Cap(Coprinus comatus)、または、Lawyer's Wig(弁護士のカツラ)。調べてみたら日本語ではササクレヒトヨタケと言うそうだ。このキノコ、通常は切り株ではなくて芝生に生える種類なのに珍しい。カサの下の方まで真っ白な幼菌のうちなら食用になる。オムレツにして食べるとおいしい。でも、写真のように、下の方から黒くなり、インクの様に真っ黒な液体になると、もう食べるのはムリ。実はその黒い液体がこのキノコの胞子。

昔の僧侶は、このキノコの黒く液状化した胞子を実際にインクとして使っていたとか。うん、私もそれ使って何か文字を書いてみたいな。




帰り道、リスがヒイラギの実をすごい勢いでガツガツ食べていた。リスってドングリとかの茶色い木の実しか食べないかと思っていたら、ヒイラギ食べても大丈夫なんだ。お腹壊したりしないんだ? リスが赤い実を食べる姿はなかなかメルヘン。




冬時間になって日の短くなったロンドン、午後1時半頃なのに、既に夕方のような太陽の光。公園のゲートには、午後四時には公園を出るように、と貼り紙がしてある。日が短いのって切ないねえ。でもまぁ、人の少ない冬の公園って、趣きがあって結構好きだったりする。今年はまだ、そこまで冷え込みがキツくないしね。

Sunday 29 November 2015

大ちゃん2歳



きのうは大ちゃん2歳のお誕生日でした。なのでツナをゼラチンで固めた猫用特製ケーキを作ってお祝い。上に乗っているキャンドルは、ちょっと気の利いたカードや包装紙などの紙モノや文房具を扱うチェーン店、ペーパー・チェイスで買っておいたもの。ゼラチンが薄かったらしく、ケーキ、ちょっと崩れ掛かっていますが、まぁその辺は気にしない。


「なんにゃこれはっ」


大ちゃん、一瞬フンフンと匂いを嗅いだかと思うと、後ろに飛び退きました。熱かったらしいです。ああ、ケーキに近付いた、その一瞬、写真に撮れなかった…。


「かあさん、これおいしいにゃーよ。」


キャンドルは苦手でしたが、お味の方は満足の模様です。大ちゃん、あっという間に2歳になったねえ。でも未だにスーパー甘えん坊のかまってちゃんなのは変わらず。どっしり落ち着いたオッサン猫になるのはいつ頃なんだろう…。あ、体型は最近、ツチノコ化しつつあるけど(大ちゃん:「かあさん、人のこと言えないにゃーよ」)。

Tuesday 24 November 2015

膝上の大ちゃん


バレエのパフォーマンスも無事終わり、ほっと一息。2〜3日前、穏やかだった気候が一転して一気に真冬の寒さのどん底のような冷え込みになり、暖房をガンガンにいれて南側の窓辺で暖を取っていた時の写真。寒いと膝に乗ってくれる大ちゃんでした。

今日は若干寒さも緩み、暖房を点ければ部屋はすぐに暖まるけれど、気温が零下になるような日だと、セントラル・ヒーティングを入れっぱなしにしても、隙間だらけの我が家はちっとも暖まらないのよねえ。今年の冬は、寒さが厳しくなるそう。さて、いかにして凌いでいくものか。大ちゃんがオン・デマンドで膝に乗ってくれたらいいのになー。

Tuesday 3 November 2015

バレエの個人レッスン



11月14日(土)15日(日)の、私の所属する大人の趣味のバレエ団、チェルシー・バレエのパフォーマンスに向けて、 先日個人レッスン受けて来ました。今日はその覚え書き。

パフォーマンス出し物は「コッペリア」。全三幕のバレエで、主役のスワニルダは一幕ごとに違う人が踊る事になっている。それで私は初日の14日、二幕でスワニルダを踊る事になりました。二幕はほとんどがマイムで物語りが進んでいくけれど、スパニッシュ・ダンスとスコティッシュ・ダンスのソロが入っている。それでソロの部分を見て貰おうとレッスンを申し込んだというわけです。

まずは最初、コッペリウス博士に扇子を渡され、ステージを歩いて一周するところ。右足を出した時には左肩を前方上に向かってきゅっと出し、左足を出す時は右肩を出す。大げさなくらいに上体と下半身をひねって動きにメリハリを付けるように言われました。…そーなんですよね。自分では十分大きく動いているつもりでも、後でビデオを見ると、動きが小さくてショボいなー、と思うのは毎度の事。

実際の踊りに入る前の準備のステップでは、自分がチュチュではなく、フラメンコの長いスカートをはいていると思って、スカートの裾を上に蹴り上げるようなつもりでステップを踏むように、という指導。これは目からウロコ。ここのステップ、どうして良いのかまったくワケ分かんなかったのよねー。

扇子を片手に踊るスパニッシュ・ダンスは、通常のクラシカルな硬い動きではなく、どの動きも体をひねってひねって背中を見せ、一つ一つの動きの後のポーズをキメて次の動きに入る前に少しでも長く保ち、動きにメリハリを付けるように何度も指導されました。軽快なテンポの音楽なので、キメ・ポーズを保とうとすると音に遅れる。きつい〜。

そして手の表情も違う。通常のバレエの手はこんな感じだけど…





スパニッシュでは、手首からコキっと曲げて、指の先までメリハリを付けてキメる。(まるで山岸凉子の漫画に出てきた厩戸皇子の手のようだ)。これが、身体中を動かしながらだと、案外出来ない。





あとは、私は肩に力が入りすぎで硬く見えるので、もっと肩をリラックスさせるようにとも。あーーーー、これ、いつも言われるんだあぁぁ〜。精進致します。

一時間の個人レッスンはあっという間で、スコティッシュまで見てもらう時間が無かった…。でもほんと、色々と実になることが多くて、見てもらって良かったです。

…というわけで宣伝。ロンドンにいらっしゃる方々、是非ともパフォーマンス、観に来てください!ステージの上から熱烈歓迎‼︎ 致します。詳細はこちら。





日時:11月14日(土)@7:30pm〜、11月15日(日)@3:00pm〜

場所:Lantern Studio Theatre, Unit D, Great Eastern Enterprise, 3 Milharbour, London E14 9XP 
最寄駅:South Quay駅(DLR)またはCanary Wharf駅(Jubilee Line)

チケットはこちらから購入可能です。
https://www.ticketsource.co.uk/chelseaballet 







Saturday 31 October 2015

ハロウィーン



今夜はハロウィーンという事で、巷には色んなオバケが徘徊しております。ハロウィーンはもともと伝統的なイギリスのお祭りでは無く、アメリカから渡ってきたものと聞いているけど、もうイギリスでもすっかり定着した模様。ご近所さんでは、玄関先にくり抜いたカボチャを飾っている家も何軒かありました。

ハロウィーンの晩は、オバケに扮した子供たちが近所の家を回って "Trick or treat!?" (お菓子くれなきゃイタズラするぞ)、と、お菓子をせがんで回る趣向だけれども、ウチには回って来た事がない。





ひょっとして、玄関先にカボチャを飾ってある家は、回ってヨシ!それ以外の家は不参加とみなし、回ってはイケナイ、という暗黙の了解でもあるのだろうか?

それともあらかじめ、PTAとかで、学童の居る家だけ回る様に決めてあるのだろうか?

来年はウチでもカボチャを用意して、果たしてそれが暗号になっているのかどうか、試してみようかな。

Thursday 22 October 2015

カンバーバッチのハムレット、そしてスマウグ



 
 
ハムレットのレビュー続編、2週間も放置してしまいましたが、続きです。カンバーバッチのハムレットは、躍動感に溢れる若々しくて元気の良いハムレットでした。ハムレットって、大昔に一度か観た事があったような気がする、それも日本の武士バージョンだった、くらいなので、他の人はどんな役作りをしてるのか、さっぱり知らない訳ですが。あと、「この人、どんだけ父親好きなの?!」と思いましたよ。
 
カンバーバッチは身のこなしが実に軽い。狂ったフリの時は、おもちゃの兵隊さんに扮してカクカク、きびきびした動きを見せたり、静の演技から動の演技に移る時の素早さとか、テーブルの上にひらりと音も立てずに軽々と飛び乗ったりとか、割と上背のある人なのに、あんまり重力に引っ張られている感じのしない動きをする。ジムで相当鍛えてるのかな~。
 
 
 
 
 ところで私がカンバーバッチにハマったのは、人気テレビドラマ、シャーロックの演技で、シャーロックのエキセントリックぶりの表現が尋常でなく上手いから。もはや私の中で、カンバーバッチ=シャーロックみたいに変換されてしまっているような状況。で、ハムレットにもそういうヘンぶりをちょっと期待してたところがあるんだけれども、割と普通の人間だったなぁ。
 
 それに、ハムレットを観に行く前に、YouTube でこんな動画を見つけてしまっていた。映画「ホビット」で、山の洞窟に住み、金銀財宝を守るドラゴン、スマウグの声の吹き替え録音の模様。声だけでなく、身体の動きをドラゴンのアニメーションに転移させて再現するため、もじもじ君みたいな衣装にモーション・キャプチャー用のパッチを体中に貼り付けてスマウグの演技をするカンバーバッチ。動きがコモドオオトカゲみたいだー。完全に竜が憑依してる。ずっと腕立て伏せ状態の演技なのに、ホント、体力あるわ、この人。
 
(ちなみに本でホビットを読んだ時の私の中のスマウグって、どこか抜けてて憎めないイメージだったんだけど…このスマウグ、こえーよ。)
 
 
 
 
そして この人、英語の発音がめちゃくちゃ綺麗なので、えっらい高尚なドラゴンになってる。目を閉じて声だけ聞いてたら、それこそシェークスピアの劇中の独白を聞いているみたい。なんか、観に行ったハムレットよりも、このスマウグの方が、実は私の中のシェークスピア劇像にマッチしてたりする。
 
でもハムレットを、映画やテレビではなく舞台でやりたいっていうのは、カンバーバッチって真面目な役者さんなんだな、と思う。しかし次回はぜひとも、スマウグ級の変人の役を、生の舞台で見てみたい。
 

Thursday 8 October 2015

カンバーバッチのハムレット@Barbican Theatre



8月5日から10月31日まで上演中のベネディクト・カンバーバッチ演ずるハムレット、1年前にチケット発売と同時に売り切たって話だけれども、当日のリターン・チケット無いかな〜と、何気にウェブでチェックしてみたら、運良く一枚買う事が出来た。リターンって案外出るものなんだなぁ。手数料を入れて£98という大枚をはたくことになったけど、生のカンバーバッチの演技を見る機会なんてそうそう無いだろうから奮発しました。巷の非公式なダフ屋ウェブサイトでは、£1,000を超す値段を付けている所もある事を思えば定価で買えてラッキー、と思っておこう。



しかし私、シェークスピアって、バレエで観るロミオとジュリエットくらいしか知らないので、演劇となると馴染みがとても薄い。シェークスピア劇って、チャンチャンばらばらで最後はみんな死ぬ〜、みたいな大雑把な印象しかなくて(それ、大雑把すぎ)、なんなら頭の中でハムレットとマクベスとリア王ががごちゃまぜになってたりする。 なので行く前にあわてて粗筋を調べましたよ。




簡単に筋をまとめると、ハムレットの父であるデンマーク国王が急死、その直後に王妃であったガートルードは、国王の弟、ハムレットの叔父さんにあたるクローディウス新王と結婚する。ファザコンのハムレットは母が父の喪も明けぬうちにとっとと再婚したのが気に入らない。そんなところへ父王の亡霊が現れ、自分はクローディウスの策略で殺されたとハムレットに告げる。真実を知ったハムレット、父の仇を討つべく、復讐の炎に燃える。それから、ハムレットは狂人のフリをしたり、元恋人のオフィーリアの父ポローニウスをうっかり間違って殺してしまったり、オフィーリアがホントに狂ったり、えー、色々あって、結局最後に一族郎等、刺し違え・毒殺などで関係者一同みんな死ぬ。そこにやって来たノルウェーのフォーティンブラス王子、デンマークも自分の王国に加える事にする。

…ていうかフォーティンブラス王子にとってこの話、めっちゃ美味しくないですかー?身内同士で殺し合って全滅したところにひょっこり現れ、自分の手を汚さずデンマークがそっくり手に入るって、まさに漁夫の利。ひょっとしてあなたが全部仕組んだんじゃぁ…?って、なんか私の脳みそは勝手な方向に突っ走る。教訓は、「家族は仲良くね」ですか?って、いや、そういう話じゃないんだろうけど。

このハムレット、舞台設定は中世ではなく、近代のいつか。1930年代頃かなぁ、という印象。登場人物は普通に服を着ていたり、軍服を着ている。周囲では戦争が起こっているらしい。


Ciarán Hinds as Claudius


肝心の劇の感想。比べる対象がないので自分の受けた印象しか無いですが。ハムレットの父王を謀殺し、まんまと王国と王妃を手に入れたクローディウス、「ぬしも悪よのう」的な悪代官ぽっさがあった。見るからに腹黒そう。上手くいかなかった場合を考えて、最低でも第三プランくらいまでは練っていそうです。ま、それが裏目に出て、ハムレットに飲ませるはずの毒杯を王妃が飲んじゃって死んじゃいますが。でも根っからの悪というクローディウスでは無かったな。欲得に目が眩んだ中堅政治家が、大きいとこ狙っちゃった、って感じでしょうか。


真ん中がポローニウス役のJim Norton


宰相ポローニウス。人の良い初老のおじさんって感じだったんですが、 ポローニウスって一般的にそういう性格として描かれるものなのかな。それともこの俳優の役作りでそうなってるのかな。先王とはウマが合ったかもだけど、こういう良い人は腹黒いクローディウスとは反りが合わないだろうから、生き残ったとしてもどっかに左遷されるんじゃない? でも間違って刺されちゃったのがお気の毒ではあった。そういう気持ちにさせるポローニウスでした。


Anastasia Hille as Gertrude

ハムレットの母、王妃ガートルード。ハムレットに罵倒される場面で、自分の内面に沸き起こる罪悪感をハムレットにぶつけるかのような激しい雄叫びは、奥さん更年期ですか イギリス人女性ならではの大迫力。フェミニンだけど同時にサッチャー元首相を思わせるような存在感のある王妃でした。


真ん中がオフィーリアのSiân Brooke


オフィーリアは、前半、この時代ではまだ珍しかったであろうカメラを手にして写真を撮ってまわったり、話し方の感じもサバサバした、現代的な若い女性って感じで、ハムレットにフラれ父に死なれて精神的に参ってしまって狂う、というような神経の細さを持ち合わせているタイプには見えなかった。狂ったオフィーリアの演技も、あー、こういう狂女の表現、ありがちだよねー、という月並みな演技に私には思えた。辛口だけど。もっと観るものがゾっとする様な、鬼気迫る狂女の新しい表現って無いのかな。


Leo Bill as Horatio


ハムレットの親友、ホレーシオ。この、ギャップ・イヤー*の旅行から帰ってきたところです、的な風貌が重苦しい空気に要所要所で風を通していた。(*イギリス人の若者の間では、高校から大学に進む間の一年又は大学から就職する間の一年休みをとって、バックパックを背負って世界を見に出かける、という慣例がある。これをギャップ・イヤーと呼ぶ) 個人的に、この飄々とした正直者のホレーシオが出てくると、なんかホッとしました。写真では随分シリアスに写っているけど。

なんか長くなってきたので、トリのカンバーバッチは次回にします。