Tuesday 31 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere, France ⑥

 
ワークショップ中慣れ親しんだニワトリの群れのボス、ひよちゃん。
 
 
 
ほとんどホリデー気分で過ごしたワークショップ、あっという間に最終日が来てしまいました。この日の朝、食堂に向かう建物の角を曲がったところで、ニワトリのひよちゃん達が私達めがけて真正面から砂埃を上げながら、全速力で走って来ました。食べ物をくれる人たち、ということで、ばっちり覚えられたみたいです。転げるんじゃないかと思うくらい一生懸命走って来るニワトリの姿、めちゃ可愛いかったー。真正面から見る鳥って、なんか間抜けだし、余計可愛い・・・でも今日でお別れなんだよー。
 
 
 
 
午前中は、初日に行った湿原の端っこ、トレ・エに写生に向かう。初日は湿地帯まで行ったけど、今回は駐車場のすぐ横にある、茅葺きの古い小舟の繋留場を描く。
 
 
 
 
古びた茅葺きの屋根が、実に趣き深いボートハウス。
 
 
 
最初はボートハウスと小舟を中心に描き、その後は背景の林も含めて描く。途中で師匠から、遠近法の描き方と鉛筆を使ったスケールの図り方(鉛筆を立てて持って、肘を伸ばして片目つむって見る、アーティストがよくやる例のポーズね)の講義があったんだけど、それに従ってちゃんと計って正確に描こうとすればするほど狂ってくるのであった。私、いーかげんだからなー。で、きちんと図って描く、という技法は金輪際放棄することにけってーい。目分量でさくっと描いた方が、自分的によっぽど納得できる絵になる。(あくまで自分的に…ね。)
 
 
 
 
ざっと描いてみたボートハウス。一体ナニかい、広角レンズで撮った写真なのかい、コレは?と言いたくなるくらい、屋根がびよーーーんと長くなっちゃってますがまぁ良しとしよう(自分に甘い)、と思ったんだが、師匠からは「もう一枚、最初から描いてみなサイ」というコメント。ぷぷっ。ばれたか。師匠、目がいいからなー。師匠の目はごまかせないのであった。
 
 
 
 
その後、後ろの林も含んで描いた絵。三本の木が、でぇりゃー大きくなってまったがね(名古屋弁。訳:三本の木が、ものすごく大きくなってしまったわ)。これ、実は家に帰って来てから手を加えました。この大きな木たち、最初もっとずっと薄い色だったんです。師匠にこの三本の木は、陰影のトーンでいうと、一番暗いよ、と指摘されたので、もっと暗く塗ってみたら、ぐんと絵が引き締まりました。どこが暗くてどこが明るいか、トーンを見分けるには片目をつむって見ると分かりやすい、とも教わりました。
 
 
 
こちら師匠の絵。森の中の清涼な空気がそのまま伝わって来るようだ。手前に一本、斜めに生えてるこちら側の岸の白樺がまた、空間の奥行きを感じさせる。黒に近い色を使ったトタン屋根のギザギザの表現とか、屋根がちょっと浮いている感じとか、お見事としか言いようがない。

ボートハウスの絵を描き終え、最終日のランチはケリネットの敷地内にあるクレープ屋さんで食べました。その後、馬とか羊とか、園内のモチーフを好きに描くということで、私は遠くで写生している師匠、その他二人を描いてみた。


 
 
 これを見せたら、そのあとで師匠が描いていた絵。

  © Denis Clavreul

…思いっきりリベンジされとりますがな。斜め後ろから見た私、あまりにそっくりで、鏡を見ているのかと思いましたよ。ていうか、右上の私、顔のシミというディテールまでしっかり描いてあって容赦ねえぇ。そこは、み、見逃してくれええ。

最終日のこの日は、4時に終了。宿の掃除と片付けを済ませ、予定通り5時頃には全て終了。みな三々五々帰って行きました。私と一緒に参加のRさんは、地元のナントに住んでるおばちゃんたちにサン・ナゼールの駅まで送ってもらう。6時20分発のTGVに乗れるかと思っていたら、なななんと、この時間の列車はパリに帰る行楽客で満席で乗れなかったという…。この周辺、実は週末にパリから気軽に行ける海辺の行楽地だったのか…。サン・ナゼールの街中があまりに閑散としていたので甘く見てた。で、結局一時間後の7時20 分発の列車でナントまで戻ってくる。ここで一泊、そして次の日のお昼過ぎの便で、ロンドンに帰ってきました。

おまけ。帰って来たあとに描いたジャーナルのページ。



パースペクティブ、入りましたぁぁーっ。
 
 
今回持っていった服etc。手荷物サイズのスーツケースで行ったので、服は最小限。

師匠、ひょっとすると秋口にもまた同じ場所でワークショップやるかも、だそうです。興味のある方は、師匠のページをチェックー。私は秋口は無理だけど、来年またやるんだったら是非ともまた参加したい!と思います。
 

Monday 30 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere, France ⑤


 
ワークショップ三日目は、朝ちょっと早起きしてケリネットの村をお散歩。ビデオも撮ってみた。
 

 この日は遠出はせずに、この敷地内でワークショップが行われる。まず最初は宿舎の前の建物に絡み付いて育っているクレマチスをもチーフに、植物を描く。

 
最初から沢山花が咲いている様子を描くのではなく、花の構造を知るために、まず最初は一つだけ花を選んでよく観察して描くように、とのこと。その前に、ドゥニ師匠のデモンストレーションがある。きゃわわ。ビデオは9分強あります。
 

 
背景の葉や蔦が何重にも茂っている様子を作っていく師匠。これ見たかったんだーーー。うれしい。最初の緑は大雑把に塗って、その滲みや染みの形の明るいところや暗いところをうまく利用して、葉や茎の形にしていく。おおう、こうやって描いてたんだーー。
 
デモンストレーションが終わって、それぞれ花を選んで描く。これは私のクレマチス。
 
 

 
そしてこれが師匠のクレマチス。おおおう、見よ、この奥行きと立体感!グレーに近いピンクの花びらの色彩といい、緑の渋さといい、う、美しい…。
 

 
 
それからお昼をはさんで、午後は牧場の動物や風景を描く。本日のお昼は生ハムのサラダ、サンドウィッチにエクレア。
 
 

 
 
馬とかガチョウやニワトリとか、好きな動物を描いたあと、今度は下のような牧場の風景を描くという課題。建物を重点的に大きく描いてもいいし、全体を引きで描いても良い、という選択肢を与えられる。引きで描く場合は、建物と左の大きな木のバランスに注意するように、とアドバイス。
 

 
 
私は旅に出ると必ず絵日記を書くのですが、連日終了時刻が10時または10時半というこのワークショップ、それからジャーナルに絵と文を描くのは時間がかかりすぎて、寝るのが午前1時過ぎになってしまうので、三日目からはもう直接ジャーナルに絵を描くことにした。で、上の風景、描き始めたのはいいけど、描いてるうちに、木を描きこみすぎてワケ分かんなくなってきた。それが下の絵。
 
 

 
そしたらっっ。師匠が自ら私のジャーナルにっ、お手本を描いてくれましたっ。ちょっ、それってあり得るわけ? 一番好きなアーティストの自筆の絵が自分のジャーナルに描いてあるってどーよ。 ほんとにこの現実で起こっているワケ? あまりにもシュール過ぎて、マジ、ほっぺたつねりたくなった。
 
 
 
 
これが師匠のお手本。…しかし自分のジャーナルに描いてあると、自分が描いたみたいに錯角してしまいそうだ(こらこらこら)。なのでちゃっかり師匠にサインもしてもらっちゃった。
 
 
影の部分を上手く入れて、茅葺き屋根の窓の上に当たる部分が少し持ち上がっている様子まで、きっちり表現されているところはさすが。遠くにある建物は、細部を描きこみ過ぎないほうが良いよ、というアドバイスでした。でもこの建物に限っては、私としては青い窓は是非とも描いて残したい。なぜかというと、これ、私たちが泊まった建物なので、「そーそーそー、あの家は、青い窓と青いドアだったよねー」って思い出せるようにするため。
 
ワークショップ・レポート、最終日に続きます。
 
 



Saturday 28 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere, France ④

 

ソフィーの塩田を後にして、ランチは海岸に移動してピクニック。メニューはカニサラダとサンドイッチでした。デザートもあったと思うけど、なんだったか忘れた。前菜をこんなお洒落なお皿に盛ってくれるなんて、仕出し屋のオヤジ、気が利いている。

この海岸は内海で、潮干狩りが出来るらしくて、ハマグリによく似た貝をバスケットに入れて帰って来る地元の人と何人もすれ違いました。うあー、私も潮干狩りしたかったなあああー。

ところでこういう磯のある浜、やたらと探究心を掻き立てられます。磯に私を放つと戻って来ません。ランチもそこそこに、磯探検に出かけました。そしたらなんとこの海岸の岩たち、牡蠣でびっしり覆われていました。




足元の白いの、全部牡蠣。興奮してプッツン行きそうなくらい嬉しい。どういう種類の牡蠣か分からないけれど、がっちり岩にへばりついているので一個一個取って食べることは出来ない。なのでいったん浜に戻り、手ごろな石を拾って戻って来て、ふたの部分を石で割って中身を取り出して食べました。小ぶりだけどクリーミーで美味しかったよぉう。


磯が楽しすぎて、これは水彩画のワークショップだということをすっかり忘れてましたが、この後、海の風景を描くために海岸の崖の上に移動。ここでもやはり、手前のものを大きく描くか、全体の風景を描くかの選択肢を与えられました。私は後者を選択。

・・・でもなんか、午前中の塩田で集中力を使い果たしてしまって、ほとんど下描きだけで終わってしまった。

 





途中からパラパラと雨が降りだしたので、そこで切り上げてケリネットに戻ることに。帰り道に、ドルメンと呼ばれる古代の遺跡を見学し、茅葺き屋根の家の集まる村を通って帰ってきました。

不思議な石造物。いったいどのくらい前のものなんでしょう。
 
 


このあたり、湿地帯の平原なので、屋根の素材に事欠かないのでしょうね。屋根を葺きかえる作業も割りと日常的に行われているという印象。

宿に戻ってみると、ケリネットは観光客で大そうにぎわっていた。てっきり超マイナーな場所と思っていたのでびっくり。ここで一時間の休憩をはさみ、その後今度は大きな紙に墨汁で描くという作業。最初は鶏、次にりんごの木。りんごの木は沢山生えているので、自分に何か訴えかけるモノを感じるような木を一本選び、木を描こうとするのではなくて、その木から自分の受ける印象を描け、という指導。えええー、なんじゃそれーーー。超難しいー。こういう説明を受けると、りんごの木の精とか、紅天女(ガラスの仮面参照)とか描いてしまいそうな勢いである。何をどう描いてよいのか分からず、とほーにくれる。英語的な脳で解釈すると、「枝葉を細かく描こうとするのではなく、形と陰影で捉えて描くように」という意味だったんだな、と後で師匠の絵を見て理解したのですが。フランス人の表現って、なんか詩的だな。いや、単に師匠がそうなのか?何かを指導し説明する時に、「感覚」とか「フィーリング」という言葉を多用していたように思います。

 

ニワトリさん達
 
 

とほーに暮れながら描いたりんごの木。一本選べなかったので、三本描いた。


三次元の空間の事は考えなくていいから、とにかく一本だけ描いてみなさい、と言われて再び描いた木。この時点でもまだ私、とほーに暮れております。「印象を描け、と言われたけど、これ、明らかに木じゃん。」みたいな。

さてこのあと夕食を済ませ、その後裏にあるスタジオに移動して今日描いた絵を見せ合い、ドゥニ師匠からそれぞれコメントをもらって一日が終わりました。このワークショップ、連日終わるのが夜10時を過ぎていたっていう熱血ぶりです。師匠、ものすごーく熱心。ほんといい人だ。

ワークショップ・レポート、まだまだ続きます。





 

Friday 27 May 2016

今日の大ちゃん



おや、誰かの白い手が見えてますよ。誰でしょう?



大ちゃんでしたーーー。

大ちゃん、このユニクロのダウン・ジャケットの下に潜り込んでお昼寝するのが最近のお気に入り。今日もゴキゲンでお昼寝してたので、このジャケット持って外出しようと思ってたけど出来なかった…。



オマケ。無防備な大ちゃんの寝姿をもう一枚。


Wednesday 25 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere/France ③

 
ワークショップ二日目は車で遠出。ブリエール/Briereは塩の生産で有名なゲランド/Guerande に近くて、小規模な塩田が結構ある。ドゥニ師匠の友人に、ソフィーという塩田で働く女性がいて、午前中は彼女が塩田で作業する様子、そしてその周りの風景を描くという課題でした。



ソフィーの塩田

 

働くソフィー



実際に塩を収穫できるのは八月の短い時期ですが、収穫時期ではない時も常に塩田の管理が必要で、一年を通しての肉体労働。ソフィーは健康的に日焼けして、そして実にたくましい腕をしていました。こういう現地の人の地に根ざした生活の様子、実に興味深い。

塩が収穫できるのは真ん中の二列、丸い台のついている部分で、その周りを囲む塩田は、海水の水分を徐々に蒸発させ、塩水の濃度を上げていくためにあるとか。そして一区画からの収穫高は、その年の天候にも左右されるけれど、平均して約一トンくらいという話でした。一番最初に収穫される、真っ白な「塩の華」/Fleur de sel が、収入の大きな部分を担うそうです。塩の華は、収穫したては塩に含まれる藻の成分で、実際にほんのりとお花の香が漂うそうです。残念ながら袋詰めする頃には消えてしまうそうですが。そしてその後に収穫される、グレーがかった色をした塩田の底の方の塩は、土壌のミネラルを含んでいて、安価だしお風呂に入れる塩としても有効だそうです。

ソフィーはナント大学で環境学の博士号を取り、そして塩田で働くというライフ・スタイルを選びました。そういう人生の選択もあるんだなぁ。




ソフィーから買った塩。産地直送どころか、現地で塩作った本人から買えるなんて、特別感ハンパない。ほんとはグレーのミネラルたっぷり塩の方も買いたかったけど、重いので断念。

さて本題、ワークショップ。まずは周りの風景のことは考えずに、人だけを集中して描くように、とのお達し。動いている人や動物は難しいけれど、塩田での作業は何度も同じ動作を繰り返すので、腕なら腕、足なら足、と一点に絞って観察して描き、次の部分移るといいよ、というアドバイス。それから、ここでも細部を描こうとしないで全体の形をつかむように言われました。

いくつもいくつも描いていると、だんだん手が慣れてくる、とは言え、やっぱり動いている人は難しい~。




手元を見ていると、描こうとする主体がどんどん変化してしまうので、殆ど手元を見ずに描いてみたページ。自分的に、おっ、結構面白いんじゃない?という出来あがり。なんか、怪獣みたいなのも居るけど。


   
 
 
 
大雑把に線で捉える、というのが何となく分かってきたところで、次に風景も入れて描きましょう、ということに。要素として、塩田の横の小屋とソフィーを含めて描くように言われました。
 
 
 
 
 
 ざっくりノートに描いてみてから、画用紙に描いたのが下の絵。ドゥニ師匠からは、要素は抑えているけど小屋もソフィーもデカすぎる、と言われました。そーか。何かヘンだと思っていたんだ。そーだったのか。広大な風景を前にすると、構図を決めるのも難しいし、その中に含まれる要素のプロポーションを正しく描くのもホント難しい。
 
 

 
 
塩田を後にして、次はランチということで近くの海辺に向かいます。続きは次回に。
 
 

Sunday 22 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere/France ②


ワークショップ第一日目の朝に、サン・ナゼールのホテルから現地に移動。ホテルでは、朝食の時に他の参加者二人に出会う。一人はコルシカから、もう一人はモンペリエからの参加。ロンドンから私と友人の二人、これで合わせて四人。参加者は全部で八人で、他四人のうち二人は地元ナントから、残り二人はフランス中部から参加。自分も含め、おばちゃん率100%のワークショップでした。和むわーー。




 ワークショップのベースとなるのは、ケリネット/Kerhinet という茅葺き屋根のコッテージの並ぶ愛らしくてのどかな集落。打ち捨てられ、廃墟になっていた古い村を修復し、一般観光客が訪れることが出来るようになっています。研究者や美術のワークショップで利用する人は、宿泊施設がなんと無料!!  上の写真のコッテージ、1階部分が食堂になっていて、二階部分がユースホステル・スタイルの宿泊所になっています。

現地に着いて、まず荷物を置いて落ち着き、そのあとドゥニ師匠からワークショップの説明がありました。それからランチ。ワークショップ中、お昼と夜ご飯は近所の町の仕出し屋から料理のデリバリーがありました。みんな美味しかったです。おまけに毎度毎度ワイン付き。さすがフランス。私、結構な大食漢なので、四日間ひもじい思いをするのでは、という心配は杞憂に終わりました。




食事の後、画用紙、画板、折りたたみ椅子など、必要なものを揃えて、上の写真の場所に移動。ブリエール/Briere は広大な湿地帯で、その端っこの部分にあたります。ドゥニ師匠によると、建物を描くのは難しいので、まずはそうした障害物の無い、割りにシンプルな構図の構成がとれるような場所を選んだ・・・とか。し、し、シンプルかなぁ。

描き始める前に、ドゥニ師匠から講義がある。風景画を描くには二種類の描き方があって、視界に入って来る風景、全部を引きで描く方法と、何か目を引くポイントに絞って、角度を狭めて構図を決める方法。全体の風景を引きで描く場合には、絵の中に含まれる要素のプロポーションが小さくなり、角度を狭めて描く場合には、対象物が大きくなる、というポイントに注意するように、プロポーションをよく考えるようにと、ワークショップ中何度も繰り返して言っていました。



それから、絵の具の色具合を見るテスト用紙を持っておくといいうよ、という話も。


一日目の晩、おさらいでジャーナルに描いた風景。ちょっとはマシになってるか?!


そのあと、ケリネットに戻ってきて、そこらじゅうに野放しになっている、半野生のニワトリを描く。

 


この子ら。完全放し飼いなので、鶏小屋も無い。フリーレンジの極み。野生の血が色濃く残っている種らしく、夜はこうして木の上で眠る。そんなニワトリ、初めて見たわー。

これを、細部は描かずに全体を形でとらえて、のびのびした線で描いてみる、という練習。

 

私の絵。
 
 
 






師匠の絵。一筆描きの円が鳥の姿になっていく様子は、まるでマジックを見ているよう。



水彩ワークショップ・レポート、まだまだ続きます。ちなみにこちら、ワークショップのダイジェスト版スライドショー。7分強あります。音アリ注意。








 

Saturday 21 May 2016

水彩画のワークショップ@Briere/France ① 現地乗り入れ編




すっかり更新が滞っていた間の、5月の初頭、フランスで水彩画のワークショップに出てました。その時の模様です。まずは現地乗り入れ編。

このワークショップ、私、この人の絵がひょっとして一番好きかも、という水彩画家によるもの。その名はDenis Clavreul (ドゥニ・クラヴルー)。鉛筆でサラサラ〜っと描いた線の上に、サラサラ〜っと色を乗せていってる…割には、鳥の姿や風景のパースペクティブ、プロポーションがめっちゃ正確っ。そしてその渋い色使い。3年くらい前にモン・サン・ミッシェルの売店でこの画家の本を見つけて以来、何冊か本を買い込み、この人が絵を描いているところを見てみたいー、と常々思っていたところ、何とワークショップ開催のお知らせをフェイス・ブックで見つけ、速攻申し込みました。


師匠の描いたコマドリ。うわぁぁ、かわいいっ。(ウェブから拝借)

ワークショップはフランスのナント近郊、Parc Naturel Régional de Brière という自然公園で行われることになっていて、先ずはそこまでロンドンから辿り着かなければならない。最初、ユーロスターで乗り入れ、パリでTGVに乗り換えを考えたのですが、調べてみたらロンドン・シティ・エアポートからナントに直行便が出ている事が分かり、陸路乗り継ぎと値段もさほど変わらないので飛行機で行くことに。


ロンドン上空。眼下にミレニアム・ドームを臨む。



フランス上空。眼下にモン・サン・ミッシェルを望む…見えるかな〜?



 ナントからサン・ナゼールまでは、SNCFで40分くらい。

サン・ナゼールの海辺


飛行機に乗ってしまえばナントはあっという間。空港を出て、エアポート・シャトルでナントの国鉄駅に向かい、そこから列車でワークショップの行われる自然公園に一番近い街、サン・ナゼール(St Nazaire)まで行って一泊。ワークショップの始まる当日の朝、車で参加する他の参加者にホテルで拾ってもらうことになっていました 。

この一泊したサン・ナゼールという街、ロワール河河口に位置しています。海辺の街だというのにまったくお洒落感ナシ。街の中心部は閑散として静まり返っている。時代を感じる古い建物は全くなくて、のっぺりとした新しい家ばかり。海辺って普通、もっと賑わっているものなのに何これ?と不思議に思いましたが、この街、昔から造船が盛んで、第二次大戦中には軍事的に重要な位置付けにあったため、ドイツ軍の爆撃により、完全に潰されたそうです。あぁ〜、もったいない〜。きっと素敵な古い建物とかあっただろうにーー。

 


サン・ナゼールの街の中。巨大な丸だまで、おしゃれ感を盛り上げようとしているのでしょーか?






ワークショップ代金には、宿代、食事代も含まれていましたが、これから四日間、一体どんな食生活になるか分からなかったので、この晩はちょっと豪勢に、(サン・ナゼールにしては)お洒落なレストランで食事しました。牡蠣、おいしかったーーーっ。

次回からいよいよ水彩ワークショップです。