Thursday 22 October 2015

カンバーバッチのハムレット、そしてスマウグ



 
 
ハムレットのレビュー続編、2週間も放置してしまいましたが、続きです。カンバーバッチのハムレットは、躍動感に溢れる若々しくて元気の良いハムレットでした。ハムレットって、大昔に一度か観た事があったような気がする、それも日本の武士バージョンだった、くらいなので、他の人はどんな役作りをしてるのか、さっぱり知らない訳ですが。あと、「この人、どんだけ父親好きなの?!」と思いましたよ。
 
カンバーバッチは身のこなしが実に軽い。狂ったフリの時は、おもちゃの兵隊さんに扮してカクカク、きびきびした動きを見せたり、静の演技から動の演技に移る時の素早さとか、テーブルの上にひらりと音も立てずに軽々と飛び乗ったりとか、割と上背のある人なのに、あんまり重力に引っ張られている感じのしない動きをする。ジムで相当鍛えてるのかな~。
 
 
 
 
 ところで私がカンバーバッチにハマったのは、人気テレビドラマ、シャーロックの演技で、シャーロックのエキセントリックぶりの表現が尋常でなく上手いから。もはや私の中で、カンバーバッチ=シャーロックみたいに変換されてしまっているような状況。で、ハムレットにもそういうヘンぶりをちょっと期待してたところがあるんだけれども、割と普通の人間だったなぁ。
 
 それに、ハムレットを観に行く前に、YouTube でこんな動画を見つけてしまっていた。映画「ホビット」で、山の洞窟に住み、金銀財宝を守るドラゴン、スマウグの声の吹き替え録音の模様。声だけでなく、身体の動きをドラゴンのアニメーションに転移させて再現するため、もじもじ君みたいな衣装にモーション・キャプチャー用のパッチを体中に貼り付けてスマウグの演技をするカンバーバッチ。動きがコモドオオトカゲみたいだー。完全に竜が憑依してる。ずっと腕立て伏せ状態の演技なのに、ホント、体力あるわ、この人。
 
(ちなみに本でホビットを読んだ時の私の中のスマウグって、どこか抜けてて憎めないイメージだったんだけど…このスマウグ、こえーよ。)
 
 
 
 
そして この人、英語の発音がめちゃくちゃ綺麗なので、えっらい高尚なドラゴンになってる。目を閉じて声だけ聞いてたら、それこそシェークスピアの劇中の独白を聞いているみたい。なんか、観に行ったハムレットよりも、このスマウグの方が、実は私の中のシェークスピア劇像にマッチしてたりする。
 
でもハムレットを、映画やテレビではなく舞台でやりたいっていうのは、カンバーバッチって真面目な役者さんなんだな、と思う。しかし次回はぜひとも、スマウグ級の変人の役を、生の舞台で見てみたい。
 

2 comments:

  1. そうそう、テーブルにひらり、音がしない。ニンジャみたいでしたね。
    「ホビット」は飛行機で見たけど、こんなことして録音してたんだ。根性ある~。
    次は何をしてくれるのか、楽しみです。
    その前にクリスマスの「シャーロック」ですね。

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    1. 私、ホビットは見てないんですが、このYouTube のビデオがツボにハマってしまって何度も再生しています。いまや、カンバーバッチ=スマウグになりつつある…。

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